小倉文月の雑記

老後は京都で暮らしたい

映画『アンネ・フランクと旅する日記』を観てきました

読んだ事のない『アンネの日記』を読む代わりになればと思い、『アンネ・フランクと旅する日記』を観てきました。

 

愛読ブログ『ちきりんの日記』のちきりんさんは、12歳の時の自分に向けてブログを書かれているそうですが、『アンネの日記』が空想上の友人キティーに向けて書かれたということを、鑑賞を通じて知り、誰かに向けて書くという事が超特別ではなく、そういう日記を書かれる方もいるものなんだな、と改めて感じ入りました。

 

ティーが現在と当時を行ったり来たりするという現実にはありえない展開に違和感こそ覚えないものの、感情移入するほどストーリーに寄り添うことは出来ませんでした。これは、館内が冷えていた事や、鑑賞前から襲われつつあった睡魔が、物語の架橋でピークに達し寝落ちしてしまった事が原因かもしれません。

 

ネタバレになるので控えますが、一つ一つのエピソードが非常に巧みに描かれている点と、魅力的な絵のアニメーションが好みでした。

 

現在が舞台の中では、難民(問題)が描かれています。キティーが手を差し伸べる事で、居住権と住居が得られる事になるのですが、キティーの行方を尋ねられた難民の少女の回答が、あっさりしていたように感じられ、何とも言えない寂しさを感じました。

 

少女の真意は計りかねるので、素っ気なさで複雑な思いを表していたか、あるいは、隠していたのかもしれません。が、感謝の念的なものを見えるようにして欲しい、と思ってしまった自分には、無意識の優越的なものがあったのかもしれません。

 

もう一度、映画館へ足を運ぶ、事はないものの、これを書く事で、何らかのツールでもう一度観てみたいと思ってきました。

 

 

映画『偶然と想像』を観てきました

思いの外観て良かった『ドライブマイカー』の 濱野監督作品という事で関心を持った『偶然と想像』。

 

こちらも非常に楽しめました。

 

作品サイトには、「偶然をテーマにした3部作で、 親友同士の他愛ない恋バナ、大学教授に教えを乞う生徒、 20年ぶりに再会した女友達…」と紹介されています。


元の彼女とこれから彼女になる方のお話し、 自分に満足できず持て余しながら生きていた女性が本来の自分に近づくお話し、 高校生時代から20年間心に抱えてきたことを解放するお話し、と私 には感じられました。

 

3作品の中で好きな順位を考えてみましたが、 甲乙付け難い。というよりも3作品ともにとても引き込まれました。


更に、3作品の違いと共通することがあり、単純な短編集ではない、ところに心憎さを感じました。


違いについてはネタバレになるので控えますが、3作品とも『 ドライブマイカー』のように、 台詞の語り方が舞台のお芝居のようで、また、 脚本は橋田寿賀子さんですか?というほど台詞が多くて長い。


濱野監督作品で観たのは2作の為、少ない比較数ですが、 登場人物の語りが多いく其々の人柄を丹念に描いていること、

そして、人生それぞれいいねと思わせるストーリー展開に傾倒しました。新作が待たれます。

 

f:id:ogurafuzuki:20220314220246j:image

ドライブマイカー程には、混雑していませんでした。寧ろ、此方の作品を、多くの方に観ていただきたいくらいです。

 

 

映画『ムクウェゲ』女性にとって「世界最悪の場所」で働く医師、を観てきました。

「牧師の父は祈りで人々を救った。私は薬を配って人を救おう」 と8歳の時に進む道を決められたというムクウェゲ医師の言葉が心 に残る映画『ムクウェゲ』


2018年にノーベル平和賞を受賞されたことも、 2019年に訪日され安倍元首相と会談し、 広島を訪れていたことも全く知らず、『水俣曼荼羅』 を観た際の宣伝で知ったムクウェゲ医師と本作。

 

何故、コンゴ東部でレイプが繰り返されるのか? という疑問を持ち、観ることにしました。


紛争や侵攻で不安定な情勢な上、 豊富な資源を狙った武装集団により繰り返されるレイプ。 性欲の為のレイプではなく、住民に恐怖を植え付ける為の性暴力。 そう聞いても、なぜ、という疑問は払拭出来ませんでした。


上は91歳ご婦人、下は8歳少女、3歳幼児、 6ヶ月赤ちゃんまでもが被害にあっており、 家族の前で暴力を振るうと聞き、 朧げにですが状況が理解できて来ました。恐怖心を煽って、 服従させる事が目的のようです。


被害に遭われた女性の経験は辛いものでしたが、 前向きな人生を歩まれている姿を見せて貰えたのは救われた気持ち になれました。


ムクウェゲ医師、被害にあわれた女性たち、 そして加害者である元兵士2名がインタビューに答えています。


フランス語で会話されるのは、ムクウェゲ医師と、 元兵士の内1名。逮捕収監されたそうだが、 刑務所所長に金銭を渡し、5年の刑期が数ヶ月で出所したそう。 その元兵士の、「以前は学校に通っていた、また、 学校に通いたい」と。


産出した資源のトレーサビリティを管理、 合法的なルートで運営している、とはいえ非完全である、 というムクウェゲ医師の言葉を聞くまでもなく、 フランス語が話せるエリート層がこれでは、 皆が安心して暮らせるまでの道は非常に険しい。


被害が拡大しないよう願いつつ、私が出来る事としては、 まず本作を観る、そして、稚拙な内容ですがこれを書く、そして、 次に何が出来るか考える、事かな、と思っています。


世界の隅々に、平和と安全が行き渡りますように。

 

f:id:ogurafuzuki:20220310212601j:image

水俣曼陀羅』に続いて、アップリンクへ。京都ではございませんが、こちらも、デザイン性が強め。
f:id:ogurafuzuki:20220310212604j:image

京都と同じ、ダイソンの蛇口。
f:id:ogurafuzuki:20220310212607j:image

ピンクの壁を背景に。

粟ぜんざいを食べ比べてみました〜とらやと鶴屋吉信と

 

今出川通りを通るたび一度は入ってみたいと思っていた鶴屋吉信本店

 

今回は2Fの菓遊茶屋・お休み処でお目当ての粟ぜんざいをいただきました。

 

このご時世、また夕方閉店間際とあって先客は1名。中庭を正面に臨む席を選び、ゆっくりと景色とぜんざいを堪能。

 

もっちりとした粟が印象に残り、盛りが良くたっぷりといただけました。社名の鶴屋に因み、鶴の器が使われている点に心躍りました。

 

今回はお菓子購入の予定が無かった事から、1Fの店舗には入店しなかったので、次回は本店限定商品購入するためにも、利用したいと思います。

 

f:id:ogurafuzuki:20220302220556j:image
f:id:ogurafuzuki:20220302220600j:image

 

帰り道に徒歩で向かった先は本田味噌本店。お気に入りの味噌を購入し、とらや一条店の菓寮を通りがかり、こちらの粟ぜんざいもいただきたくなりました。が、お腹の具合が許さず、翌朝、開店時刻に合わせて伺いました。

 

前日いただいた粟とは、随分と印象が代わり、パリっとしていました。こし餡の甘味、とらやの方が強く感じられました。

 

f:id:ogurafuzuki:20220302220649j:image
f:id:ogurafuzuki:20220302220652j:image

 

違いが明瞭だった事から、粟ぜんざい、で検索したとこと、素材に違いがあるようです。粟ともち粟?の違いのようですが、正直読んだ内容では理解不十分で、良し悪し等は分かりませんが、鶴屋吉信本店の粟ぜんざいは、毎年いただきたいと思います。

 

余談ですが、とらや一条店へ伺った当日、御常連さんと思しき2組のご夫妻の注文に耳がダンボになりました。

 

お一人目は、「いつもの」というご主人のお席に運ばれて来たのは抹茶と羊羹で、おそらく土定番、夜の梅かと推察。もう一人のご主人は「白小豆ぜんざい、お餅4個」と、お餅追加を追加。

 

とらやの、それも一条店で、「コレ」という御指名を男性がしていらした光景を見て、ウキウキさせて貰いました。

 

甘味最高。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画『水俣曼荼羅』をUPLINK京都で観て来ました

ここ10年程、休暇を利用し年に1、2回訪れている京都では、甘味や喫茶を中心とした食と観光を楽しんでいます。
 
名神社仏閣、御所離宮や迎賓館などの名所を一巡し、今回はお初で映画2本の鑑賞を試みました。
 
話題作『ドライブマイカー』の上映館を探す中で、見つけた『水俣曼陀羅』。
 
本作3部に登場される石牟礼道子さんの著作『苦海浄土を取り扱ったNHK100de名著を偶然に視聴した時には、若松英輔さん解説に引き込まれ、ながら見していた手を止め、集中して観た後、テキストと『苦海浄土』を購入しました。そうした経緯から、本作にも俄然興味が湧きました。
 
6時間の上映時間に驚きつつも、時間に余裕がある旅先で観られるのは丁度良いので、前日に映画館を訪れて予約。因みに、前日予約者は0でしたが、当日には10名程の入りでした。男女比は半々程度で、年齢層は20代から70代と幅広かったです。また、皆さんマナーが良く、こうした社会問題に関心のある方らしいなという印象を受けました。
 
作品については6時間で途中2回休憩があること以外に前知識は入れずに鑑賞。
 
目に見える症状がある患者や、裁判の弁護人が登場するのは想定内でしたが、他者が見て罹患に気付けない症状の患者、支援者、行政側の方、水俣病研究者の方々と、広範囲の人々を追ってくださった事で、水俣病に纏わる事を多面的に観せて貰えました。
 
15年という期間を捉え、6時間という時間をかけて鑑賞したからこそ伝わってくるものがあったと思います。
 
鑑賞後に購入した制作ノートを眺めつつ、ネットサーフィンをして、ほぼ日の原監督インタビューを見つけました。
 
制作ノート巻末に、このインタビューが掲載されているのですが、書籍のみに記載の内容を読み、「やっぱり、そうだったんだ」という監督の思いが伝わっていた事が分かり、更に映画に感動できたので、本を購入して正解でした。
 
尚、ACE Hotelの入っている新風館地下のアップリンク京都で鑑賞したのですが、素敵な内装で心地よく過ごせました。蔓延防止等重点措置の影響で、魅力的な1Fのショップや飲食店が空いていたのは淋しかったですが、空いているお陰で、ゆっくりと過ごす事ができました。
 
f:id:ogurafuzuki:20220301185101j:image
休憩?スペース。
f:id:ogurafuzuki:20220301185058j:image
素敵なトイレ。
 
もう一方の作品『ドライブマイカー』は、兼ねてより一度行ってみたかった、出町座で観て来ました。特徴を活かした魅力ある映画館でしたが、ドライブマイカーを観るには、合っていなかったかな。
 
f:id:ogurafuzuki:20220301222923j:image