小倉文月の雑記

老後は京都で暮らしたい

芳麗さんのvoicy <離婚も乳がんも神様のシナリオ通り?! 南果歩さんが得たキャンサーギフト>を聴いて

芳麗さんの 16月13日配信のvoicy は、Cancer giftについて改めて考える機会となりました。

 

Cancer giftは、癌を患ったからこそ得られるギフトがあるという考え方で、キャンサーギフト、という位ですから恐らく日本以外・英語圏から入ってきた用語であり考え方なのだろうと思います。

 

この言葉を知った具体的なきっかけは思い出せませんが、恐らく自身が乳がんに罹患し、友人知人の勧めて訪れた マギーズ東京 で頂いた冊子を通じてかと思います。

 

Cancer giftある派ですが、直接の知り合いで罹患した方が否定派であり、また、罹患した事をOKとしているようで憚られる気持ちもあり、ある、と言い切る事も躊躇しつつ、giftとして感謝する気持ちも持ち合わせていました。

 

芳麗さんの配信は、東洋経済オンライン掲載の南果歩さんインタビューで感じ取られた事を、とても丁寧に言葉にしてくださっており、音声と記事の両方から、今回のインタビューで得られた物をアウトプットしてくださっています。

インタビュー前編> <インタビュー後編

 

芳麗さんが、南さんからは「私自身とは質が違っていて、共感だけではない学びがある」と語られていますが、まず、そこに共感しました。

 

南さんも乳がんに罹患されていらっしゃるご経験がおありですが、標準治療で必要とされている薬を服薬するために補完的に服薬が必要になった事から必要とされる薬の服薬を止められた、という記事を以前に拝読した事がありました。

 

私自身も、服薬が必要であり、南さんとは異なる理由で補完するための薬と合わせて服薬しています。南さんは、薬のための薬の飲む事に抵抗がおあり、という様なお話しでしたが、私は、必要とする薬を止める事に抵抗があります。

 

とは言え、南さんのお考えを理解出来る事から、芳麗さんの「違うけれども、」という内容のお話しがすーっと入ってきました。南さんは、標準から外れても、それを良し!とするようなところに魅力があるのだろうな、思いました。

 

そんな南さん、「Cancer giftなんて意味わからない、病気になって良いことがあるわけない、と思っていたものの、術後1年に危機が訪れ、夫婦関係が壊れ、心も崩壊している時にgiftが来た」と思ったそうです。

 

「離婚を選べた潔く決められた、乳がんになって命の危機に晒されていたからこそ、人生の困難や問題は些細な事、信頼関係のない結婚を続ける意味がないと思えて、人生の本質を捉えることができた。この順番は神様のシナリオ」という南さんの発言を引用し、その後、この考えの意味するところを話してくださった事に、非常に共感しました。

 

まず、「神様のシナリオ」を「運命」と言い換えてくださっており、ここでグッと南さんのお話が身近になりました。

 

そして、「Cancer giftは、直ぐに得られるものではなく、誰にでも得られるものでもない、と思う。受け取るタイミング、心の準備が必要かと思う。」更に、「癌を大き壁、困難の一つとして考え、乗り越えようとしなくても、ただ運命として享受して、逃げずに、嵐の風景を見ながら、嵐が過ぎ去るまでお待てる力や覚悟があればそれ相応のギフトが届くのではないか、と思う。」と解説くださっていますが、正にその通り、だと思いました。

 

お子さんやAYA世代と呼ばれる若い世代、また、お子さん、特に小さなお子さんがいらっしゃる方、とてもgiftと思えない、というように考えられると思います。私もそのような状況であれば、決してgiftとは思わないです。

 

私は適応障害で休職を始めて2ヶ月後に乳がんの告知を受けました。適応障害乳がん、その日を境に問題の優先順位のトップが入れ替わったのです。しかも、同じ休職するにしても、癌治療の方が外向きにも理解が得易く、自身も休む事に躊躇が無くなりました。

 

化学療法期間中はたっぷり時間があったので、適応障害の治療で受けた心理検査の結果から分かった自分の性格を改めて見つめ直す期間に当てることが出来ました。更に、主治医の仕事ぶりから、気持ちの切り替え方や割り切り方を吸収することも出来ました。そして、精神的に充分な休息を得て、自身の性格を理解し始めた事から、復職後は以前とは違う働き方が出来るようになりました。

 

乳がんになったからこそ、また、乳がんの治療を通じて適応障害から回復でき、本来の自分に近い自分で生活が出来るようになったと考えているので、giftと捉えているのだと思います。これ、乳がんが先だと、giftと捉えられなかった上に、本来の自分に近い自分を自覚する機会にも恵まれなかった思うので、南さん同様、順番も大いに影響しているはずです。

 

4つ前の段落で引用させて頂いたvoicyの該当チャプターを繰り返し聞き、非常に共感し、また励まされました。南さん、そして芳麗さん、貴重なお話し、どうも有難うございました。