小倉文月の雑記

老後は京都で暮らしたい

映画『ひまわり』を観てきました

アンネフランクと旅する日記に続いて、タイムリーな作品『ひまわり』。1970年作品ですが、初めて鑑賞しました。

 

himawari-2020.com

 

ソ連への出征前に結婚をしたイタリアの男女。終戦後、待っても待っても帰らない夫アントニオを探して、遥々ソ連へ。降雪地帯で危うく凍死するところを救ってくれた現地女性と結婚し女児をもうけた事を知って、間髪置かずに帰郷。再婚し誕生した男児にアントニオと名付け新しい生活を送っているところに今度は彼が訪ねてくる。そして、お互いに別々の道を歩む事を確認しあう。

 

52年前の映画なので、ネタバレを気にせず自分なりのあらすじを書いてみました。

 

出征までの二人の濃密な時間の過ごし方が、イタリア的で凄くイイ。

 

やっとアントニオと再会を果たすも躊躇なく、彼が乗ってきた汽車に飛び乗って走り去るジョバンナの行動に驚きを覚えつつも、そうせざるを得ない様々な思いがひしひしと伝わってきて切ない。

 

今度はアントニオがジョバンナを追ってミラノへ来る。当時は非常に困難を伴ったソ連と西側諸国の往来。あえて行動する凄まじい愛の力。

 

降雪地帯を(帰還のために)行軍する場面、兵士や住民の死体が埋められているという丘陵に立つ無数の木製十字架、など、ストーリーだけではなく視覚的にも明確に描かれる戦争。

 

戦争の残酷さを浮かび上がらせる、太陽の象徴ひまわり。ジョバンナがアントニオを探して歩き、その下には兵士等が眠るというひまわり畑は、当時ソ連領である、現在ウクライナキエフから500キロ南下した場所だそう。

 

このところ観た作品は数名だった入場者が、今回は、満席、でした。

 

それだけ多くの人が、今、関心を寄せているウクライナに、1日も早く穏やかな日常が戻りますように。